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リンガル矯正とマウスピー矯正の歯の移動特性について

Q. 見えない装置で治療を考えています。舌側矯正とマウスピース矯正の歯の動きの違いについて知りたいです。

見えない矯正、舌側(リンガル)矯正は、歯の裏側に装置がついているため、マウスピースと同じように、治療中ほとんど見えないで治療を行うことができます。しかし、治療前にどちらの装置が自分の性格や生活にあうか気になる方も多いと思います。

ともにメリット・デメリットがありますが、今回は、舌側矯正(リンガルブラケット)がマウスピース矯正より優れている5つの点について歯の移動の観点からお話します。

まずは、

① 歯の三次元的コントロール能力が高い(精密な歯の動きが可能)ということです。

舌側ブラケットはワイヤー矯正の一種なので、
歯の“回転・傾斜・高さ(挺出・圧下)・根の向き(トルク)” を細かく調整できます。
これはマウスピース矯正が最も苦手とする部分で、舌側矯正は難症例への対応力が高いです。

次に、

② 大きな歯の移動量が必要なケースに向いていることです。

突出の改善、前歯の大きな後退、噛み合わせの大幅な改善など、
歯の移動距離(特に歯根)が大きい症例では舌側矯正がより安定して歯を動かせます。

マウスピース矯正は大きな移動に弱く、マウスピースの追加治療が多くなる傾向があります。

③として、 装着時間に左右されず、治療の確実性が高い

マウスピースは「1日20〜22時間装着しないと計画通りに動かない」という患者様依存の問題があります。

一方舌側矯正は常に固定されているため、装着時間の不足による治療遅延がないという高い確実性が最大の強みです。マウスピースのような取り外す必要がないことも利点と思われる方も多いです。

④ 必要な抜歯症例・叢生(ガタガタ)に強い

抜歯が必要なケースやガタガタが大きい症例では、
ワイヤーの方が牽引・並列化の精度 が現状では高くなります。

さらに、犬歯や側切歯などの断面の丸い歯のコントロールはワイヤーの方が効率と精度が高いです。

⑤ 奥歯のしっかりした噛み合わせを作りやすい

舌側ブラケットなどのワイヤー矯正は、上下の噛み合わせ(オクルージョン)を精密に作ることが可能です。

マウスピースは前歯の仕上がりは良いです。奥歯は、シートが入るため細かい噛み合わせが甘くなりがちで、仕上げ段階で限界が生じることがあります。