予防と口腔衛生製品
歯に関する知識
矯正歯科治療中もむし歯のないそして歯周病のない健康なお口の状態を守り続けていくには、しっかり予防を行うことです。
それにはホームケアとクリニックで行うプロフェショナルケアをうまく機能させていくことが大切です。
ホームケアについて
ご家庭で行えるホームケアは、まずはこまめな歯磨きと適切な食生活、おやつの食べ方や生活習慣を見直すことが大切です。
フッ素入りの歯みがき粉を使用し、歯間ブラシやフロスも上手に利用してお口の中のリスクを減らしましょう。当院ではお子さんへ、ご家庭でフッ素配合製品を推奨しています。
歯磨き(ブラッシング)
口腔内細菌はお口の中の歯や矯正装置、ワイヤなどの固い物につく性質があります。
このため歯はもちろんのこと矯正装置をよく磨くことで口腔内の細菌の数を減らす必要があります。またブラケット周りやワイヤーの下の歯ブラシの毛先のとどきにくいところは、細かくまた時間をかけて丁寧に磨きましょう。
歯ブラシのとどきにくくプラークのとれにくいところは、例えばブラケット周り・歯と歯の間・歯の接触部分・歯と歯肉の間の境目です。
裏側矯正装置(歯の裏側に取り付ける矯正装置)の場合は、磨きにくい部分にピンポイントで毛先が届くように、「タフトブラシ」を使用し1歯ずつ磨いてください。
普通の歯ブラシを使用する場合は、歯ブラシの毛先部分で磨きます。
フッ素配合製品
フッ素
フッ素の使用により以下の効果が得られます。
- むし歯菌の酸の産生を抑制する。
- 歯がフッ素を取り込み、歯が強くなる。
- 歯の再石灰化を促進する。
家庭での毎日の低濃度フッ素と、歯科医院での定期的な高濃度フッ素の併用で、むし歯予防効果が高まると言われています。
フッ素ジェル
いつもの歯磨きの後や就寝前に行います。歯ブラシの毛と同じ長さにペーストをのせて、しっかり歯磨きを行った後に、大さじ1杯の水で5秒間お口をすすいで吐き出します。年齢に応じた使用が可能。歯磨き粉無添加。
フッ素配合歯磨き粉
歯ブラシの毛と同じ長さにペーストをのせて、しっかり歯磨きを行った後に、大さじ1杯の水で5秒間お口をすすいだ後に吐き出します。
フッ素スプレー
夜の歯みがき後に、歯ブラシにスプレーをして、歯全体に塗布します。
適切な食生活
3回の食事はしっかり食べること。だらだら間食はひかえるようにしましょう。
間食で糖分を多く取ることはよくないので、清涼飲料・スポーツ飲料・ジュース・お砂糖を入れたコーヒーや紅茶・アメ・チョコ等のおやつの回数と量は1日1回にしましょう。
食べた後で、時間が無いとき、歯磨きが出来ないときは、デンタルリンスや水でうがいをして、歯の汚れを落とすように心がけましょう。
クリニックのプロフェショナルケアについて
歯科医師や衛生士による器具や薬を用いたバイオフィルムおよびプラークの除去、さらにはフッ素を浸透させる施術についていいますが、タマガワ矯正歯科クリニックで行っている取り組みについて解説します。
歯科衛生士によるクリーニング
フッ素を含んだ研磨剤を使用し、歯の表面をポリッシングします。さらにジェットポリッシャーという器械を使用し、微粒子を噴射して汚れや色素沈着を洗浄します。
歯医者さんでPMTCを受けたからといって、ご自分で歯磨きをしなくても良いわけではありません。毎日の歯磨きはしっかりと行ってください。
歯面表面を保護するシーラントの使用
微量フッ化物イオンを放出するコーティング材を歯面に塗布ことで、プラークの付着によるカリエスリスクを下げます。
シーランを使用しグラスアイオノマーの特性であるフッ素リリース&リチャージ効果によりエナメル面に浸透し、矯正中の歯面を守ります。
接着前処理剤(ワンステップシステム)の使用
- セルフエッチングプライマーによる矯正装置の接着により、エナメル質の脱灰を抑制し、エナメル質表面へのダメージを軽減します。
- セルフエッチングプライマーによる操作時間の短縮により接着効果の向上
- セルフエッチングプライマーによるワンマンシステムで感染予防対策の向上
ダイアグノデントの使用
カリエスチェックを行う際に、特異的な光を歯に照射し、歯質からの蛍光を記録・数値化することで齲蝕を検出する装置を使用し、カリエスの疑いがあるかどうかを判断可能な機器を使用しています。
グラスアイオノマー材の使用
グラスアイオノマーセメント(glass ionomer cement、以下GIC)とは、歯科医療に用いられる有機セメントの一種で、歯質(エナメル質・象牙質)と金属に接着性があり、フッ素徐放性によりカリエスに対し歯質の強化とを示す材料です。
POs-Ca(リン酸オリゴ糖カルシウム)+緑茶エキス
POs-Caは唾液に解けやすいカルシウムで、歯の石灰化を促進します。
キシリトール
カリエスリスクを低く抑える効果があります。
CPP-ACP(乳タンパク分解物質)=リカルデント
歯質からカルシウムの要出を抑え、カルシウムの取り込みを促進します。口腔内細菌の作る酸に抵抗性を示します。
これらの成分はガムとして商品化されていますが、正しい噛み方が必要ですので、歯科医院で指導を受けましょう。
正しいガムの活用は、咬合育成・齲蝕予防・舌や咀嚼習癖等の口腔習癖の改善に有効と期待されています。