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歯に関する知識
40代・50代からの矯正治療で、とても大切なこと
歯並びと、お口の変化について
「今からでも歯並びをきれいにしたい」
「この機会に一気に口元を整えたい」
40代・50代、あるいはそれ以上の年代で、こうしたお気持ちを持たれる方は決して少なくありません。
そのお気持ちはとても自然で、大切なものだと思います。
ただ一方で、成人の矯正治療は、子どもや若い方の矯正とは大きく異なる点があることも、事前に知っておいていただきたいと思っています。
成人の方で、矯正治療前によく見られる「歯並び以外」のお口の状態
成人の患者さんのお口の中では、歯並びそのもの以上に、次のような変化や症状がみられることがよくあります。
歯ぐきや歯を支える骨の変化
年齢とともに、歯を支える骨や歯ぐきは少しずつ変化していきます。
- 歯ぐきが下がってきている
- 歯の根元が見えている
- 歯と歯の間にすき間(ブラックトライアングル)ができている
これらは病気でなくても、加齢にともなって自然に起こる変化です。
歯周病の既往・進行
自覚症状がなくても、
- 歯ぐきが腫れやすい
- 出血しやすい
- 歯が少し動く感じがする
といった状態が背景にあることも少なくありません。
歯周病は、矯正治療の安全性に大きく関わる要素です。
被せ物・ブリッジ・インプラントが多い
成人の方では、
- 被せ物が入っている
- すでに歯を失っている
- インプラント治療を受けている
といったケースも多く、すべての歯を理想通りに動かすことが難しい場合があります。
成人矯正では「できること」と「できないこと」があります
矯正治療は万能な治療ではありません。
成人の矯正治療では、
- 歯並びはある程度整えられても
- 歯ぐきや骨を若い頃の状態に戻すことはできない
- 歯の動く範囲が制限される
- お顔立ちが大きく変わるわけではない
という現実的な限界があります。
無理に歯を大きく動かすと、
- 歯ぐきがさらに下がる
- 歯が長く見える
- 歯と歯の間にすき間(ブラックトライアングル)ができる
- 将来、歯を失うリスクが高まる
といったことが起こる可能性もあります。
100点を目指さず、80点を安全に取る治療が重要
「動かせる歯の量には“年齢なりの安全な範囲”があります」
そのため成人矯正では、「完璧さ」よりも「安全性」や「将来の安定」を大切にする治療」が基本になります。
矯正治療の前に必要になることが多い治療
成人の方が矯正を行う場合、すぐに矯正装置をつけるのではなく、
- 歯石を取る
- 歯ぐきの炎症を落ち着かせる
- 必要に応じて歯周治療を行う
- 被せ物のやり直し
といった準備期間が必要になることも多くあります。
これは遠回りではなく、矯正治療を安全に行うための大切なステップです。
今のお口の状態を守りながら、これから先の人生を快適に過ごすための方法を患者様と一緒に考えることが大切だと、私たちは考えています。
